区立D小学校界隈 : 『志望校』って、、、?
D小学校6学年の2学期、朝礼が終わって教室の戻ると、担任のM先生がニコニコ出席簿を持って入って来た。いつもなら、名簿順に名前を呼んで出席簿にチェックを入れるのだが、今朝は、『〇〇さんは、すごいよ。東京で一番になった。』と話し始めた。
「え?なにが?」ちいちゃんにはサッパリ分からない。『〇〇さんは、志望校に入る為にこの夏休み学習塾に通っていたんだ。それで、2学期が始まる前に学習塾で実施した東京全体の学力テストで、〇〇さんが一番になったんだ。』と話し続ける。『すごいだろう。みんな拍手ーー‼ 』

クラス全員で「ワー」と言いながら手を叩いた。
ちいちゃんの小学校では、学習塾や家庭教師に勉強を教えてもらえるのは、お金持ちの家の子とPTAの家の子と言われていた。
〇〇さんも宿の通りで店を開いている家の子で、自分の部屋があって、遊びに行った時、アンデルセンやグリム童話集が、机の横の本棚に並んでいて、ちいちゃんにも勉強机はあったけど、テレビの横に置かれていたので、その時、「いいなぁ」と思った事を思い出しながら手を叩いた。
ちいちゃんは、両親に「中学校は義務教育の学区制で△✖中学」と決まっていると言われていたので、「シボウコウ」って?夏休みでも塾へ行かなければだめなんだぁ。
〇〇さんは、クラスの中でも静かな文学少女だった。