区立D小学校界隈 PTAのおばさん達
余所行きの洋服を着て、きれいにお化粧をした5~6人のおばさん達が、1か月に1度ぐらい小学校にやってくる。PTAのおばさん達だ。おばさん達は、職員室に挨拶して校長先生の部屋へ入って行く。
おばさん達は、D小学校の周りの埋め立て地に建った分譲住宅で、どっかの大きな会社で働くサラリーマンの家の人だ。ちいちゃんが住む旧街道の商店街のおばさん達とちょっと違う。商店街のおばさんは、お化粧をしていない。お惣菜を売る店のおばさんは、手ぬぐいを頭にかぶり、割烹着や前掛けをしている。工場に勤めている家のおばさんは、夕方、サンダル履きで、買い物かごを持ち、普段着姿で商店街をブラブラしながら、夕食のおかずを探したり、近所のおばさん達と噂や学校の出来事を、買い物を忘れて話し込むのが日課だ。そして、PTAのおばさん達と商店街のおばさん達が、街で合うと、何となくお互いに気取っている様に見えた。
学校では、おばさん達が、校長先生の部屋へ入っていくことや、PTAの家の子(クラスメート)が、お母さんからの言付けを伝えに、気軽に職員室に入って行くのを見ると、家へ先生を招き食事を一緒にしているから、PTAの家の子(クラスメート)は、先生に可愛がられているんだと、ちいちゃん達旧街道の子供達は、「先生の依怙贔屓(えこひいき)」と陰口を叩いていた。
この頃は、PTAの役員をやる人は、会社で役付の経済的に恵まれている家庭。そして、その家の子は、特に男の子は、優等生と決まっていた。
SNSもスマホも無かった時代。見た目と噂が情報の時代。民主主義の教育になっても、家の格がものを言う風土はまだ残っていた。
