
ちいちゃんの小学校時代は、夏休みと冬休みの期間中に登校日があった。夏休みは、8月1日と15日の2回、冬休みは、1月1日の1回。その日は、いつもと同じ登校時間に集まり、先生が、出席を取って、「宿題をチャンとやるよに」と言ってそれで午前中に下校します。
ただ、1月1日は、特別でお正月のお祝いの「紅白のお饅頭」がくばられます。
昭和30年代は、お正月に着物を着る人が多かった。初詣にも出かけたりしていたけど、学校へは洋服姿で登校する。
ちいちゃんは、おばぁちゃん子。おばぁちゃんは、お正月にちいちゃんの日本髪を結った姿を見るのを楽しみにしていた。流行っていた「新日本髪」ではなく、『かもじ』や『あんこ』を『こて』を使って「桃割れ」「つぶれ島田」とか「銀杏返し」の日本髪を結った姿を見るのを楽しみにしていた。だから、ちいちゃんは、1月1日には時代劇映画の「お姫様」のよう日本髪を結って着物を着て登校した。クラスにもう一人、H君が羽織袴姿で登校してきた。先生は、その子とちいちゃんを見て「お雛様みたいね」と喜んでくれた。ちいちゃんは、照れくさかったけどウキウキ嬉しくなった。
新学期になって、席替えが有った。ちいちゃんは、H君の隣りに座ることになった。H君とは話した事が無かったけど、お正月の事を覚えていたから、話したくって仕方がなかった。でも、どうやって話かければ良いかわからない。だから、H君の腕を抓った。チョとだけ。痛くないように。「何すんだよ。」とH君。ちいちゃんは、ますます如何してよいかわからなくなって2~3回つねった。とうとうH君が、怒ったので、何も話せず抓るのを止めた。
次の日、朝礼が始まる前、校庭でみんなと鬼ごっこをしていると、知らないおばさんが「この子?」とH君を連れて確かめて、ちいちゃんの手を捕まえた。ちいちゃんは驚いて止まると、「H君の腕を抓ったでしょう。いじめないで、つねっちゃダメでしょ!」と怒られた。ちいちゃんは、いじめたつもりが無かったから、ビックリして黙っていると、「いいいわかった!」と叔母さん。「ごめんなさい。」ちいちゃんは、いじめてなんかいないと思いながら謝った。
思い出を大切に自分史を書きましょう。生きる事は素晴らしい。